― 概 説 ―
胆振地域は北海道の中南部に位置し、4市7町が東西に広がって構成しています。地域内を横断する鉄道・高規格道路、室蘭港、苫小牧港を擁し、新千歳空港にも隣接する交通アクセスに優れた立地であり、ものづくり産業が集積しているほか、温暖な気候を生かした農業、噴火湾・太平洋海域の特性を生かした水産業、鉄鋼などの工業や、日本有数の温泉地を中心とした観光を含め、各産業のバランスがとれた地域となっています。
ものづくり分野では、北海道のなかでも特に盛んな地域となっており、鉄鋼、製紙、自動車産業をはじめ、航空機分野への参入に向けた取組もなされているところです。 また、「環境・エネルギー」分野では、大規模な火力発電所や水力発電所があり、北海道のエネルギー供給地帯として重要な役割を担っているほか、太陽光発電、風力発電やバイオマス発電などの開発が進み、再生可能エネルギーの取組においても道内の中心的な地域となっています。さらに近年では、水素エネルギー関連事業やCCUS(CO2の回収・貯留・活用)実証事業といった先進的な取組も進められており、その一つとして、グリーン水素を製造する国内最大の水電解プラントを建設し、豊富な再生可能エネルギーを活用して製造したグリーン水素を、地域の工場などにパイプラインで供給するサプライチェーンの構築を目指した動きが進むなど、脱炭素化と経済の活性化や持続可能な地域づくりを同時に進めるため、官民の様々な主体が一体となって取組を展開しています。
農水産業は全道シェアの約5%と生産額は少ないものの、「白老牛」、「苫小牧産ほっき貝」、「鵡川ししゃも」、「豊浦いちご」、「虎杖浜たらこ」、「ほべつメロン」、「たんとうまい(お米)」といった商標登録されている産品をはじめ、様々な農作物、水産物に恵まれており、胆振の食は多彩な魅力を持っています。
観光面においては、全国的に知名度の高い登別温泉・洞爺湖温泉のほか、日本で初めてユネスコ世界ジオパークに認定された「洞爺湖有珠山ジオパーク」、ユネスコ無形文化遺産に登録された「古式舞踊」に象徴される、アイヌ文化の復興・発展の拠点「ウポポイ(民族共生象徴空間)(白老町)」、国内最大の恐竜全身骨格化石である「カムイサウルス・ジャポニクス(むかわ竜)」、旧室蘭駅舎や蒸気機関車(安平町)などが構成文化財として登録されている日本遺産「炭鉄港」、世界文化遺産に登録された「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」を構成する北黄金貝塚(伊達市)や入江・高砂貝塚(洞爺湖町)など、世界的な価値を有する資源に恵まれた地域です。
こうした豊かな資源を活かしながら、交流人口・関係人口の拡大を図る取組など、地域の皆様とともに、活力あふれる地域づくりを推進していきます。
また、厚真町を中心に、多くの人命を失うとともに、大規模な山腹崩壊、道路の陥没、全道域での停電によるライフラインの寸断など、甚大な被害をもたらした北海道胆振東部地震の発災から6年が経過する中、被災地域の復旧・復興はもとより、その先の地域創生を目指して、振興局、国、市町をはじめ、関係機関・団体等の連携を一層強化しながら、地域に寄り添った取組を進めてまいります。
胆振管内の情報は、当振興局のほか関係機関のホームページ等でもお知らせしています。
令和6年(2024年)9月
胆振の概況2024
◆ 地域政策課のページに戻る ◆