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【壮瞥町幸内地区の紹介】 オロフレ地熱利用野菜組合(以下、野菜組合)のある壮瞥町幸内地区は内陸のため、小雪・温暖な胆振管内のなかでは比較的、寒暖の差が大きく、近くにスキー場もある位、雪深い所です。
この地区は「わかさいも」の主な原料である大福豆などの高級菜豆やテンサイ、肉牛などが盛んな農業地帯ですが、山あいで耕地面積が狭いため、農家の経営を安定させるためにも収益性の高い作物を導入することが、地域の長年の課題でした。
【オロフレトマト誕生の経緯】 幸内地区には、他の地域にはない資源がありました。それは温泉熱。2.5km先にある弁景温泉では、65℃の源泉が毎分1tと豊富に自噴しています。
「せっかくの温泉熱を生かさないのはもったいない」と、温泉熱に着目した壮瞥町が資源エネルギー庁(当時)の事業を活用し、温泉熱を利用した野菜生産団地を整備したのが昭和55~57年。「オロフレ地熱利用野菜組合」も団地整備と同時に設立され、平成21年度現在で組合員数:8名、越冬型ハウス28棟となっています。
北海道産のトマトは普通、店頭に並ぶのは早くても4月頃ですが、ここでは道内では最も早い2月中旬からトマトを出荷しています。
65度の温泉水をハウス地表に這わした沢山のポリチューブに通すことで、ハウス内を暖房しています。取材に伺った2月上旬、日中でも氷点下10℃以下という寒いこの日でもハウス内は13℃と暖かく、日が差す日中なら最高25℃位まで暖かくなります 。もちろん、加温には一切石油エネルギーを使わない、環境にやさしいエコな栽培方法です。
【オロフレトマトの栽培方法】 道内でもあまり例のない真冬のトマト栽培、30年前の開始当時は栽培技術が確立しておらず、野菜組合は発足当時から胆振農業改良普及センター(以下、普及センター)とともに栽培方法に試行錯誤を続け、ようやく現在の栽培技術を確立することが出来ました。
一番の工夫は温度管理。日射量の少ない時期から室温を上げすぎると軟弱に伸びるため、12月から2~3月と日射量が上昇するのに合わせてハウス内の日中の温度も徐々に上げます。
また、日中に光合成した糖分を夜間の呼吸で失わなせないために、逆に夜間は二重カーテンや天窓の開閉で室温を下げるなど、きめ細やかな温度管理をすることで、じっくり甘く育てます。 【品質のこだわり】 オロフレトマトの初出荷の2月頃、道内のスーパー店先では、遠く九州からまだ青いうちに収穫して追熟させたトマトと競合します。しかし野菜組合では、道内消費地に近い地の利を生かして赤く熟してから収穫された新鮮な、また昼夜の温度差を付けて育てた道内産のトマト、甘さが違います。これが、オロフレトマトの一番の強みです。
【クリーン農業の取組】 JAとうや湖は、信頼のおける「安心できる美味しい」農産物を消費者にお届けするために、「環境負荷が少なく、生産者が安心、安定して営農・生産ができる農業と、消費者が安心して喜んでもらえる農畜産物の生産」というクリーン農業推進プランを進めており、野菜組合も平成16年2月に『北のクリーン農産物表示制度(YES!clean)』の登録集団となりました。
寒さの厳しい真冬の栽培は、農家さんやトマトにも厳しい反面、実は、病害虫にも大変厳しい時期なので、あまり病害虫が発生しません。また、虫が触るとくっついたり産卵できなくなる資材も併用することで、殺虫剤を極力使わずに栽培しています。
また、普及センターの指導のもと、病虫害予防にも力を入れていて、その一つが土壌の還元消毒。消毒といっても農薬を使う訳ではありません。これは、道立農業試験場が確立し、普及センターが紹介した技術で、夏の暑い時期、土に米ぬかやふすまを混ぜ、ひたひたになるまで水をたっぷり掛けた後、ビニールで覆って1ヶ月位置くことによって、温度と水で土壌病害虫(センチュウ)を窒息させるという、環境に優しい消毒方法です。
その他にも、太陽熱で土壌病虫害を抑える太陽熱消毒や、病害虫(センチュウ)の嫌がる緑肥(ギニアグラス)の導入、病虫害に強い台木導入などの対策を組み合わせています。
病虫害予防の基本である土づくりも、もちろん!ここでは土壌診断に沿った土づくりを30年も前から続けているという、道内でも最も取組の歴史の古い団体の一つです。
こうした様々な取組の発展形として今年度、部会の代表者がグローバルGAP(注)を取得するなど、現在は、もう1段階上の安全・安心を目指して活動されています
【生産者の思いとメッセージ】 壮瞥町幸内地区は、トマトの主要な大産地には、生産量ではかないません。しかし、温泉熱というエコな地域資源を生かしてトマトを促成栽培するという、他産地にはないユニークな取組を30年以上も前から行っています。その長い独自の取組の結果、野菜部会員同士の絆も深まりました。
取材当日、野菜部会の横山総務部長に、消費者に対するメッセージを伺いました。
「クリーン農業は今や、時代のニーズです。安価な輸入野菜に対抗するためにも私たちは、自信を持って消費者に安心して食べて貰える農産物を作っています。私たちが安全・安心には自信を持って育てたオロフレトマト、地元の消費者の方に是非食べて頂きたい!」と語って下さいました。
農業改良普及センターも、技術指導や研修会を通じて、野菜部会の取組を全面的にバックアップしています。

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