静内川総合開発事業の沿革
静内川は
北海道日高郡新ひだか町静内に位置し、日高連峰のペテガリ岳、インドナップ岳に源を発し、
支川シュンベツ川と合流して太平洋に注ぐ、流域面積 683.4 km2、流路延長69.9kmの
日高地方の代表的な二級河川です。
流域の気候は、
冬期は温暖にして積雪も少なく、夏期は清涼でしのぎやすい気候です。
下流域は
採草放牧地及び本地方の経済文化の中心として古くから発展してきた
新ひだか町静内の市街地が形成されています。
静内川治水事業は
昭和27年度より静内川の河川改修工事に着手し、治水事業の推進を図ってきました。
しかし、
その間昭和30年、41年の集中豪雨をはじめとした数度にわたる大出水により
沿川地域は多大な洪水被害にみまわれました。
このため、
ダムによる洪水調節を行うとともに包蔵水力の積極的な活用を図る為の発電計画を合わせ持つ
静内川総合開発事業としての多目的ダムの建設が計画され、
昭和53年着工以来5年余を有して、昭和58年7月に完成したものです。
高見ダムは
昭和27年 日高電源開発の一環として予備調査が開始され、
昭和49年より 静内川総合開発事業として実施計画調査に着手し、
昭和53年 北海道と北海道電力(株)との共同施行方式により建設事業に着手し、
昭和58年 完工したものです。
●静内川水系流域一覧図
■事業の目的
●高見ダム
中央コア-型ロックフィルダムとして、
二級河川静内川水系静内川の北海道日高郡新ひだか町静内高見地先に建設し、
有効貯水容量 149,000,000 m3 を利用して洪水調節及び発電を行うものです。
●洪水調節
自然越流方式により、
ダム地点の計画洪水流量 1,600 m3/s のうち、1,100 m3/s の洪水調節を行い、
下流の新ひだか町静内地域の水害を防ぎます。
●発電
ダム直下に最大出力 20万 kW の揚水式発電所(北海道電力)を新設して発電を行い、
電力量の増加を図ります。
■ダムサイトの地質
ダムサイト及び湛水敷周辺の地質は
先白亜紀、日高累層群中の輝緑凝灰岩を主体とし、
これを覆って第四期層の崖錐堆積物等の表層土類が分布します。
ダムサイトは硬質の輝緑凝灰岩で構成されますが、
右岸斜面と左岸上流部にかけては輝緑片岩との互層にわずかにチャートを挟んでいます。
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