美々川自然再生事業_美々川・ウトナイ湖

美々川自然再生事業 美々川・ウトナイ湖

◆美々川・ウトナイ湖

美々川・ウトナイ湖の豊かな自然環境は、湧水をはじめとし、湿地、河川、湖沼などの多様な水環境の存在によって支えられています。
美々川では、湧水量の減少・湧水水質の悪化(源流部)、河道内へのクサヨシの繁茂による水面の減少(上流部)が問題となっています。
ウトナイ湖周辺では湿生草原の減少・樹林の増大が進行しており、草原性鳥類が減少するなど鳥類などの動物相にも影響を及ぼしていることが懸念されます。
美々川自然再生事業は、これらの懸念される問題に対策を講じ、自然を再生・保全しようとする事業です。

 

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◆美々川流域の歴史

開拓史以前の美々川は、勇払川―ウトナイ湖―美々川―陸路―千歳川を経て石狩・空知地方に行く交通路として知られ、『勇払越え』と呼ばれる東西を結ぶ重要路線の一つでした。
 かつての美々川には、丸木舟が往来していました。

 

◆美々川流域の概要

 美々川は、新千歳空港北東部の丘陵を源とし、千歳湖を経て、左支川を合流した後、湿原を形成しながら南下して、苫小牧市東部に位置するウトナイ湖に注いでいます。流路延長は14.7kmで安平川水系の二級河川です。
美々川流域は、大半が低湿な泥炭地であるため、道内における経済・産業活動の拠点として、古くから開発の進んだ石狩低地帯にあって原始状態の河川景観を有する数少ない自然河川となっています。
美々川・ウトナイ湖の豊かな自然環境は、湧水をはじめとし、湿地、河川、湖沼などの多様な水環境の存在によって成り立っています。

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 ◆美々川・ウトナイ湖の概要
 1)左支川源流部の現状(写真1)  pht_bibigawa_bibiutonai_p03.jpg
  •  源流部には大規模な湧水群が見られ、それらが集まって渓流を形成しています。
  • ミズナラ-コナラ林やカツラ林などの渓畔林が見られ、優れた渓流景観を形成しています。
  • 湧水量が減少し、バイカモなどの流水植物やハナカジカなどの魚類の生息環境に影響を及ぼしていることが懸念されます。
  • 地下水の硝酸態窒素汚染の影響により、湧水および河川水の硝酸態窒素濃度が高くなっています。
 2)美々川上流部の現状(写真2)
  •  沿川では、林床に湿生の草本であるミズバショウが優占するハンノキ-ヤチダモ林が自然性の高い河川景観を形成しています。
  • 河道は、クサヨシの著しい繁茂によって河川の水面が覆われている状況となっています。
 3)美々川中流部の現状(写真3)
  •  ヨシ-イワリノガヤス群落、スゲ群落等の広大な湿原の中を、大小さまざまな蛇行を繰り返しながら緩やかに流れる自然豊かな湿原景観を形成しています。
  • 流れの中にエゾミクリ、コウホネ、ホザキノフサモなどの多様な水生植物が豊富であり、魚類はイバラトミヨ、ジュズカケハゼなどが生息しています。
 4)美々川下流部の現状(写真4)
  •  美々川で唯一改修が行われ、2箇所の捷水路部があります。
  • ジュズカケハゼ、イバラトミヨなどの魚類が生息し、ワカサギの産卵場所となっています。
 5)ウトナイ湖の現状(写真5)  
  •  周辺は、ヨシ-イワノガリヤス群落を主体とした湿生草原が発達し、その外側にはハンノキ・ヤチダモ林やミズナラ-コナラ林などの樹林に囲まれています。
  • 沿岸には、ヨシ、スゲ、マコモ、フトイ、コウホネ、ヒシなどの水生植物が分布しており、これらが一体となった自然景観が形成されています。
  • ウトナイ湖では、国内で記録されている鳥類の約半数が確認されており、渡り鳥の重要な中継地や越冬地となっています。
  • 平成3(1991)年には日本で4番目にラムサール条約登録湿地に指定されており、ウトナイ湖は国際的に重要な湿地として野鳥観察や保護・研究の拠点となっています。
  • ウトナイ湖の水位は、1960~1970年代に比べて低下しており、湖岸の陸化が進行しています。北西岸沿岸域では、ハンノキ林やホザキシモツケ低木林などの樹林が拡大し、湿生草原が減少しています。
  • 湿生草原の減少は、シマアオジやホオアカなどの草原性鳥類の生態にも影響を及ぼしていることが懸念されます。
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